利上げ後も円安が続く理由──日米金利差と家計物価の現状
日本銀行が6月16日に政策金利を1.00%へ引き上げ、1995年以来31年ぶりの高水準となりました。しかし、ドル円は6月27日朝時点で161円73銭前後(OANDA Japan, 2026-06-27)と円安基調のまま。「利上げしたのになぜ円安が続くのか」という疑問と、家計への影響を整理します。
何が起きているか
日銀は利上げしたが、米金利との差は縮まっていない
日銀は6月15〜16日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%→1.00%に引き上げた(賛成7・反対1)(日本経済研究センター, 2026-06-16)。一方、米国の10年債利回りは同時期に4.38%前後で推移(ETF Trends, 2026-06-26)。日米の金利差は約3.4%ポイントと依然として大きく、ドルを保有して運用する方が円よりも有利な環境が変わっていない。
このため円を売ってドルを買う需要(円キャリー取引の解消遅れ・ドル需要)は衰えず、円安基調が続いています。4月末〜5月には財務省が過去最大規模に近い円買い介入(約11兆7,300億円)を実施しましたが(野村総合研究所, 2026-06-23)、その効果も持続せずに161円台まで戻っています。
次の利上げはいつか
野村証券のストラテジストは、次の日銀利上げのメインシナリオを2026年12月としつつ、10月をリスクシナリオとして挙げています(NOMURA ウェルスタイル, 2026-06-)。米国側でのドル安(利下げ)が早まるか、日銀が想定より速いペースで追加利上げに踏み切るかが、円安が反転する条件となります。
どう読むか
円安が続く間は、輸入食品・エネルギー・日用品のコスト押し上げ圧力が家計に残ります。6月26日に発表された東京都区部CPI(生鮮・エネルギー除くコアコア)は前年比**1.9%**と加速しており(日本経済新聞)、日銀目標の2%に着実に近づいています。円安そのものがコアコアCPIを直接押し上げる経路は小さいものの、食料品や光熱費を通じた家計の体感物価は引き続き高止まりしやすい局面です。なお、変動型住宅ローンの金利は多くの銀行で2026年10月から0.25%程度引き上げられる見通しです。
注意
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。為替・金利の予測や特定の行動を推奨するものではなく、将来の相場水準を保証しません。最終判断はご自身の責任で行ってください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。