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1ドル162円台から急反落――6月米雇用統計が示す円高シフトの兆し

公開:2026年7月5日執筆:インフレ防衛メディア編集部

今週、外国為替市場でひとつの転換点となりえる動きがあった。7月1日に一時1ドル162.84円と1986年12月以来約40年ぶりの円安水準を記録したドル円相場が、わずか2日で一転し160.6円台まで急反落した。

何が起きているか

7月2日(木)に発表された米6月雇用統計(野村総合研究所)が市場予想を大きく下回った。非農業部門雇用者数(NFP)は前月比+5万7,000人で、事前予想(約11万人)のほぼ半分。4月・5月分の数値も合計7万4,000人の下方修正が加わった。失業率は4.2%と前月(4.3%)から低下したが、約72万人が労働市場から退出した結果であり、労働需要の回復を示すものではなかった。

統計発表後、ドル円は一時160.628円まで下落し、その後161円台に戻したが、162円台への再浮上には至らなかった。下げ幅は約2円で、政府・日銀による円買い介入の観測も相まって円高圧力が続いた。

日本株は今週(6月29日〜7月3日)、日経平均が69,000〜70,000円台後半で推移。円高の進行は輸出企業の収益に逆風となるため、来週の方向感はドル円次第の面が大きい。

どう読むか

ドル円が160円台を維持または円高方向に進めば、輸入コスト(エネルギー・食料品)の上昇ペースが多少緩む可能性がある。一方、NISAで米国株式ファンドを積み立てている人にとっては、円高は基準価額の目減り要因となる。「円安インフレ」が家計を圧迫してきた文脈では、円高への転換はひとつの追い風だが、平均時給は前月比+0.3%と底堅く、米FRBの9月利上げ観測が完全に消えたわけではない点には注意が必要だ。

今週の注目イベントは7月6日(月)の米ISM非製造業景況指数と7月8日(水)のFOMC議事要旨。FOMCの発言トーンが「ハト派」寄りなら追加的なドル売り(円高)になりやすい。

注意

本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。個別の為替や株価の値動きを予測・保証するものではなく、最終的な投資判断はご自身の責任で行ってください。

インフレ防衛メディア編集部

「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。