米7月雇用統計が大幅下振れ——FRBの利上げ観測後退でS&P500が最高値、ドル円は157円台へ
8月7日(現地時間)の米国市場は、予想外に弱い雇用統計を受けてリスクオンの展開となった。FRBの早期利上げ観測が大きく後退し、株式市場は最高値を更新した一方、ドル円は一時156円台まで下落した。今週末をまたいで、週明け月曜日(8月10日)の日本市場への波及が注目される。
何が起きているか
米7月雇用統計(米労働統計局・日本時間8月8日午前6時30分発表)
- 非農業部門雇用者数:前月比 −2.3万人(市場予想 +8.0万人を大幅に下回る、ダイヤモンド・ザイ)
- 失業率:4.1%(予想4.2%、前月比改善)
- 平均時給(前月比):+0.1%(予想+0.3%を下回る)/(前年比):+3.2%(予想+3.5%を下回る)
非農業部門雇用者数が市場予想を10万人以上下回り、しかも前月比でマイナスに転じたのは異例の下振れ。雇用の冷え込みとともに賃金インフレの鈍化も確認され、「FRBが9月会合で追加利上げを行う」との観測が大きく後退した。
米国株式市場・金利(8月7日終値)
- S&P 500:7,757.64(前日比+47.68pt・最高値更新)
- ナスダック総合:26,690.615(+342.263pt・3日ぶり反発)
- NYダウ:54,036.93(+151.83ドル)
- 米10年国債利回り:**4.605%**に急低下(みんかぶFX)
- 米2年国債利回り:4.15%(発表前4.23%から低下、ダイヤモンド・ザイ)
金融市場では「FRBが9月会合で政策金利を据え置く確率が約6割」に上昇したと報じられている(日本経済新聞)。
為替(ドル円)
雇用統計発表直後、ドル円は158円41銭から156円68銭まで急落(ダイヤモンド・ザイ)。NY市場の終値は157.21円(みんかぶFX)。7月31日の日米協調介入で163円台から157円台に押し下げられた流れが継続しており、今回の雇用統計で「米利上げ停止+日銀利上げ前倒し」というシナリオが再び意識されている。
どう読むか
FRBの利上げ観測が後退したことで、米国長期金利の上昇圧力が和らぎ、株式市場は買いやすくなった。NISAなどで米国株ファンドを保有している場合、株価上昇の恩恵は受けやすい一方、ドル円が円高に振れている分、円換算の評価額の伸びは限られる局面でもある。家計の輸入コスト面では、ドル安・円高の進行は食料品や日用品の物価上昇圧力をわずかながら緩和する方向に働く可能性がある。ただし、日銀の9月利上げ観測が高まれば住宅ローン(変動金利型)の金利動向にも注意が必要で、週明け以降の日銀関係者の発言や日本のCPIデータが次の判断材料になりそうだ。
注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。個別銘柄・通貨・資産クラスへの投資を推奨するものではなく、将来の相場・物価の推移を保証しません。最終判断はご自身の責任で行ってください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。