米7月CPIが前年比3.4%に鈍化——でも原油は下がらない理由
8月12日(米東部時間)に発表された米7月消費者物価指数(CPI)は、インフレ鈍化を示す内容でした。しかし米株式市場は揃って反落し、ドル円も一時円高に振れた後に持ち直すという荒い値動きになりました。背景にあるのは、インフレと中東情勢という二つの力が同時に市場を動かしているためです。
何が起きているか
米7月CPI(8月12日発表)
米労働統計局(BLS)の発表によると、7月の消費者物価指数は前月比+0.1%・前年比3.4%(6月の3.5%から0.1pt低下)。変動の大きい食料とエネルギーを除いたコアCPIも前年比2.5%(6月から0.1pt低下)と、2カ月連続で鈍化しました(CNBC報道・BLS)。
米株式市場(8月12日終値)
インフレ鈍化にもかかわらず、3指数は揃って下落しました。
| 指数 | 終値 | 前日比 |
|---|---|---|
| NYダウ | 53,791.85 | −0.3%(−184pt) |
| S&P 500 | 7,728.20 | −0.3% |
| ナスダック | 26,445.45 | −0.6% |
ドル円(8月12日 NY終値)
CPI発表直後にドル売り・円高が進み一時158.60円まで下落しましたが、中東情勢を背景にした「有事のドル買い」が再燃し、159.42円(前日比+14銭のドル高)で引けました(ザイFX!)。
ホルムズ海峡封鎖の現状
2026年春からの米・イスラエルとイランの軍事衝突を背景に、世界の海上原油輸送の約2割を担うホルムズ海峡の事実上の封鎖が続いています。国際エネルギー機関(IEA)は夏季の原油市場が「危険域」に入る可能性を警告しており、IEA加盟国による協調備蓄放出の初期分は8月初頭で出尽くしたとされています(三菱UFJ銀行レポート・IEA報道)。
どう読むか
CPIの鈍化は「FRBが9月FOMCで利上げを急がなくてよい」という材料になり、本来であればドル売り・株買い要因です。しかし日本の原油輸入の9割超は中東依存であり、ホルムズ封鎖が長引けばエネルギーコストの高止まりを通じてガソリン・電気・食品価格に上向き圧力がかかり続けます。米国のインフレが落ち着いても、日本側の輸入コスト(エネルギー+円安)は別の要因で動く——そのずれに注意が必要です。次の確認ポイントは、同じ週に発表される米卸売物価指数(PPI)と小売売上高です。
注意
本記事は情報提供を目的としたものであり、投資助言ではありません。個別銘柄の売買や、特定の運用方法を推奨するものではなく、将来の相場や物価を保証するものでもありません。最終的な判断はご自身の責任でお願いします。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。