長期金利が約30年ぶりの3%台へ — 住宅ローン・預金・株への影響を整理
9月1日(火)、日本の新発10年国債利回りが終日3.0%で推移し、1996年9月以来、約30年ぶりの高水準を記録した。前場の東京市場でも長期金利の高止まりが意識され、日経平均は一時700円超下落する場面があった(最終的に前場終値は前日比261円安の6万6,050円で引けた)。
何が起きているか
長期金利の上昇背景(出典: ICHIZEN CAPITAL)
- 日銀は2026年6月の金融政策決定会合で政策金利を0.75%から1.0%へ引き上げた(第一ライフ経済研究所: 報告)。
- 長期金利上昇の複合要因として「インフレ・賃上げ継続」「140兆円規模の財政出動への警戒」「さらなる日銀利上げ観測」が挙げられている。
- ドル円が一時1ドル160円付近まで円安が進んだことも、日銀の追加行動を促す材料として意識された。
9月18日会合への市場の織り込み(出典: 日本経済新聞)
8月27日時点で、9月17〜18日の金融政策決定会合での利上げ確率は市場の約9割が織り込んでいる。予想利上げ幅は0.25%で、実現すれば政策金利は**1.25%**へ到達する。
住宅ローン金利(2026年9月 / 出典: モゲチェック)
| ローン種別 | 2026年9月の金利(目安) | 前月比 |
|---|---|---|
| 変動型(平均) | 1.292% | +0.081% |
| 10年固定(メガバンク) | 3.843% | +0.063% |
| フラット35 | 3.460% | +0.170% |
MUFG・住友三井・楽天銀行などが9月から変動金利を引き上げた。変動型と固定型の金利差は2.23%と、2018年の追跡開始以来最大幅に拡大している。
前場の株式市場(出典: BigGo Finance)
9月1日前場では「日米ともに金利上昇観測と原油高が重なった」とのアナリスト見解が報じられており、高PERの成長株を中心に売りが出た。一方でTOPIXは底堅く、銀行株には金利上昇の追い風となる面もある。
どう読むか
長期金利3%は「正常化の節目」と位置づけられており、住宅ローン(特に固定型・フラット35)の借入コストは2024年5月比で+0.88%以上の上昇となっている。9月18日の日銀会合で追加利上げが決まれば、変動型の上昇余地もさらに広がる可能性がある。一方で、iDeCo・確定拠出年金の定期預金利率の改善や銀行株の底上げなど、金利上昇が追い風となるポケットも存在する。ポートフォリオの中で「金利感応度の高い資産(長期固定債・高PER成長株)」が占める割合を意識しておく局面と言えそうだ。
注意
本記事は情報提供を目的とするもので、投資助言ではありません。金利予想や市場動向の見立ては不確実であり、将来の結果を保証しません。住宅ローンの借換えや金融商品の売買判断は、ご自身の状況・リスク許容度をもとにご判断ください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。