日銀が政策金利1.25%に引き上げ——31年ぶり水準でも円安が続くのはなぜか
日本銀行は9月18日の金融政策決定会合で政策金利を0.25%引き上げ、年1.25%とする決定を賛成7・反対2で可決した。適用は9月24日からで、1995年以来31年ぶりの高水準となる。ところが、26日朝7時時点のドル円は1ドル=157円27〜28銭(前日比+0.82銭の円安方向)と、利上げ後も円高方向への転換は限定的だ。
何が起きているか
日銀は今回の利上げを「原油高や円安に起因する物価の上振れリスクの抑制」を狙いとする予防的な措置と位置づけた(日本経済新聞、2026年9月)。
物価データには注目すべきねじれがある。株帳・日銀利上げ詳報によると、8月の企業物価指数は前年比+7.6%(3ヵ月連続で7%超)と川上の価格圧力は高い一方、7月のコアCPI(生鮮食品除く)は同+1.8%と日銀の2%目標を下回ったままだ。企業が仕入れコストをまだ最終価格に転嫁しきれていないことを示唆する。
為替市場では、利上げ観測が强まった8月末〜9月初旬に円が159円台から152円台に戻したが、その後は再び円安方向に反転。9月26日朝の157円台は、市場が「1.25%でも日米の金利差は依然大きい」と判断していることを反映している(OANDA、2026年9月26日の相場)。
どう読むか
企業物価と消費者物価のねじれが埋まるとすれば、今後の値上げ(家計負担増)で川下に転嫁されるシナリオが考えられる。金利が上がっても円安・輸入コスト高が続く局面では、食品や電気代など生活必需品の物価が高止まりする可能性がある。一方で、政策金利が1.25%に上がったことで銀行の普通預金・定期預金の利上げ動向も注目され始めている。手元の余剰資金をどう置くかを見直すきっかけにもなりうる。
注意
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。個別の金融商品の購入・売却を推奨するものではなく、将来の為替レートや物価水準を予測・保証するものでもありません。最終的な判断はご自身の責任で行ってください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。