米6月CPIが大幅鈍化——イラン停戦でエネルギー急落、円相場と家計への波及は
米国のインフレを測る重要指標が、日本時間7月15日早朝に発表された。6月の消費者物価指数(CPI)は前年比+3.5%と市場予想(+3.8%)を下回り、5か月ぶりの低下を記録した。前月比では−0.4%と、新型コロナが直撃した2020年4月以来の大幅な低下。その最大の要因は、イランとの停戦合意でホルムズ海峡の緊張が和らいだことによるエネルギー価格の急落だ。
何が起きているか
米6月CPI:ヘッドラインは前年比+3.5%、前月比は−0.4%
米労働省は7月14日(現地時間)、6月の消費者物価指数を発表した。結果は前年比+3.5%(予想+3.8%、前月+4.2%)、前月比は−0.4%(予想−0.1%、前月+0.5%)と2段階の大幅下振れとなった(米労働省・BLS、ブルームバーグ)。食品・エネルギーを除くコアCPIも前年比+2.6%(予想+2.8%、前月+2.9%)、前月比は0.0%と落ち着いた(CNBC)。
エネルギー指数は前月比−5.7%と急落し、全体の下落を主導した。米国とイランの停戦合意によってホルムズ海峡封鎖リスクが後退し、原油・ガソリン価格が5月比で大きく下がった結果とみられる(ダイヤモンドZai)。
ニューヨーク株式市場:ナスダックが主導して上昇
インフレ鈍化でFRBの利上げ観測が後退し、米国株は続伸した。7月15日(現地時間)の終値は、ダウ平均が前日比+150.37ドル(+0.29%)の52,658.64ドル、S&P500が+0.38%の7,572.40、ナスダックが+0.62%の26,269.23(The Street)。アップル(+4.01%)、アルファベット(+3.17%)、メタ(+3.07%)など大型ハイテク株が相場を牽引した。
ドル円:162円台から161円台後半へ
ドル安・円高が進み、ニューヨーク外為市場でドル円は162円40銭から161円90銭水準まで下落した。一時は161.60円台まで急落する場面もあった。NY連銀のウィリアムズ総裁がハト派的な発言をしたことも、ドル売りを後押しした(財経新聞、外為どっとコム)。
どう読むか
米国のインフレ鈍化は日本の個人投資家にとって複数の意味を持つ。NISAの積立・成長投資枠で米国株や全世界株ファンドを保有している人には、昨夜の米ハイテク株高は追い風になった面がある。一方、円相場が161〜162円台にとどまっている限り、輸入エネルギー・食料品を通じた家計コスト高は続きやすく、「米国のインフレが落ち着いた=日本の物価も楽になった」とは言い切れない点は頭に置いておきたい。今後の焦点は、エネルギー安が日本の輸入物価指数(CGPI)や電気代にどの程度波及するか、そして日銀の追加利上げ判断がどう動くかだ。
注意
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。個別銘柄・ファンドの売買を推奨するものではなく、将来の株価・為替・運用成果を保証しません。最終判断はご自身の責任で行ってください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。