6月コアCPI+1.6%の「落ち着いた数字」の裏——夏以降に加速する物価の読み方
7月24日(金)、総務省は6月分の全国消費者物価指数(CPI)を発表した。生鮮食品を除くコアCPIは前年同月比+1.6%(5月は+1.4%)と0.2ポイント加速したが、5カ月連続でBOJの目標「2%」を下回る結果となった(日本経済新聞)。数字だけ見ると「落ち着いている」ように映るが、背景を読むと夏以降の加速を示唆する要素が積み上がっている。
何が起きているか
コア+1.6%の「押さえ役」になったのは主にエネルギーだ。前年比でマイナスとなった電気代・ガス代が全体を押し下げ、表面上の数字を抑えている。一方、生鮮食品とエネルギーを両方除いた**コアコアCPIは+1.9%**と2%に迫っており、賃金コストや円安による輸入価格の上昇が食品・サービス価格に浸透しつつあることを示している(大和総研)。
食料(生鮮除く)は前年比+3.1%と11カ月連続の上昇が続く。7月以降はさらなる押し上げ要因がある。山崎製パン(食パン類平均6.6%増)・東洋水産ほかの即席麺・伊藤ハム(5〜30%増)など2,566品目の値上げが7月に実施済みで、次回(7月分・8月末発表)のCPIにはその分が上乗せされてくる(プライシー)。
為替面では、ドル円が163〜164円台と約40年ぶり水準に近づいており(外為どっとコム)、輸入原材料のコスト上昇を通じた価格転嫁圧力が続く。大和総研は「夏以降にコアCPIが2%台に乗せてくる公算が大きい」と指摘している(大和総研)。
どう読むか
「コア2%割れ」という見出しは正確でも、コアコアが+1.9%・食品が+3.1%という内訳は、エネルギー補助が縮小されるか円安がさらに進めば一気に加速しうる状態を示している。日銀は7月30〜31日の金融政策決定会合で政策金利(現在1.0%)の据え置きが有力視されているが、夏以降に物価加速が確認されれば秋から年末(10〜12月)にかけての追加利上げ観測が高まる可能性がある(日本経済新聞)。家計の実感値に近いコアコアの動きを今後も追うことが、食費・光熱費の先読みにつながりそうだ。
注意
本記事は情報提供を目的としたもので、投資助言ではありません。将来の物価動向・金利・為替水準を保証するものではなく、最終判断はご自身の責任で行ってください。
「事実(開示・報道)と値動きを分けて見る」を編集方針に、初心者向けの資産防衛情報を整理しています。 本記事は投資助言ではありません。